何故女子サッカー日本代表は強い?

2011年秋、女子サッカー日本代表(通称なでしこジャパン)がワールドカップを制しました。その年の12月には澤穂希選手がFIFA最優秀選手賞(女子部門)に選出され、授賞式の男子部門の優秀選手賞受賞者・メッシと並んで映る写真が話題となります。

男子サッカーは2018年のワールドカップまでに3回ベスト16に進んでいますが、いずれも決勝トーナメント1回戦で負けてなかなかベスト8に進出できません。

一方、女子は2011年のワールドカップに優勝しただけでなく2015年大会でも決勝進出を果たし、今では世界有数の強豪国の一つに数えられています。

日本代表の女子と男子の世界での強さの違いには様々な要因がありますが、一番大きいのは世界の女子サッカーへの取り組み具合です。男子サッカー界においてたくさんの強豪国がある欧州圏では「サッカーとは紳士のスポーツ」という考え方があり、協会側の女子サッカーへの取り組みが遅れ気味でした。

しかし、アジアや北米・南米圏においてはサッカーが男子スポーツだという認識は低く、各国協会は早くから女子サッカー強化を進めてきました。日本サッカー協会も1993年にJリーグが発足してから男子サッカーだけでなく、女子サッカーの積極的な強化を開始します。
約20年が経過し、そういった努力が2010年代に入ってようやく実り始めている状況なのです。

近年は欧州圏の国もようやく女子W杯の注目度アップに伴って、女子サッカー強化に本腰を入れるようになりました。
ただ、そう簡単には既存の強豪国との差は埋まらないだろうと予測されており、今後も国際大会においてなでしこジャパンの躍進が見られそうです。